アーカイブ.98 お前は鋼鉄の機械でも赤い血潮が流れてる
”バカ”という言葉がある。
バカは侮辱の言葉であるが、空手バカ、釣りバカなど、バカの前に言葉を付け加えれば、それは、不器用ながらも真っ直ぐにその道を進む者への賛辞の言葉に変わる。
先日、名古屋のシネマスコーレで井口昇監督の劇場版「電人ザボーガー」を観てきた。
電人ザボーガーは昭和47年に放送されていた特撮ヒーロー番組で、
主人公の相棒であるロボット、ザボーガーのバイクがロボットになるという斬新なアイデアと
一度見たら忘れられない、そのバイクの姿。主人公大門豊の空手殺法で人気があった作品で
菊池俊輔作曲で子門真人が歌う主題歌もカッコ良く、私も子供のころとても大好きだった作品。
昨年の秋頃、板尾創路主演で映画化というニュースを聞いたときは、それはもう大興奮で、
相当の期待値を持って観に行ってきたのですが・・・いや、これは、もう、
期待を遥かに上回る作品でした!
もうバカじゃないのかと思うくらいの拘りっぷり!
23歳の青年編と47歳の熟年編の2部構成で
青年編の若き大門豊を演じた古原靖久の熱血正義バカな演技は、
TV版大門豊を演じた山口暁のリスペクトを大いに感じ、
音楽はOP、EDだけでなく、劇伴すべてにおいて、TV版の菊池俊輔の音楽を使用
※楽譜が残っていなかった為、すべて耳コピで譜面を起こして、録音したとのこと。
その他いたるところにTV版へのオマージュが感じられるザボーガー愛に溢れた作品。
もう、最初から最後まで、ニヤニヤしっぱなしでした。
なにより、昭和特撮ヒーロー番組特有のツッコミどころというのが見事に再現されていたのがうれしかった。
あの頃は製作側はもちろん大マジメなんですが、予算やその頃の技術、時間などの関係で、
どうしても、チープになってしまったり、おかしな設定、無理やりなストーリーが出てきて、
役者さんの真剣な演技がさらに拍車をかけ、思わずツッコミを入れて笑ってしまうところがあって、
またそれも昭和特撮ヒーローの良さなんですが、そういう部分をね、見事に表現してありました。
特に洞窟での○○○なシーンがあるんですが、もう頭おかしいんじゃないかっていう描写なんですけど、
一緒に見に行ったひ~ちゃん曰く、井口監督の作品としてはまだ大人しい方とのこと。
井口監督の映画はザボーガーが始めてだったんですけど、ほかの作品も観たくなりました。
時代と共に、ファッションや、言葉など表面的なカッコよさは変わってくけど、
ひとつのことに真っ直ぐに生きる姿、○○バカはいつの世でもカッコイイ!
そう改めて感じることができた映画でした。
劇場は僕と同じ世代の男性が多かったけど、これは子供にも観てもらいたいな。
お父さんは是非お子さんを連れて見に行ってもらいたい。
そういえば、これも一緒に観にいったムッチー君の側に座っていた男の子が、
例の洞窟のシーンで「これってなんだか恥ずかしいね」と父親に話していたらしい。
いいね!親子の男同士のコミュニケーションにもピッタリな作品です。
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